水戸市北部圏域CSW「そっとねっと」近況報告

株式会社ゆりかご 介護保険制度 その他

水戸市北部圏域CSW(コミュニティ・ソーシャルワーカー)の集まり「そっとねっと」の定例会が開催されました。
先月は、実際にフィールドワークで水戸市渡里地区を戸別訪問しました。本日は、その報告・振り返り、今後の活動予定などについて話し合いました。

毎回、渡里地区民生委員協議会の会長と副会長にご参加いただきながら、CSWと住民との話し合いを続けています。今回は34回目であり、あと少しで3年になろうとしているんだなぁと、月日の流れの速さを感じました。

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今回の地区は、以前戸別訪問した場所をもう一度回ろうという試みです。そこから、2回目の変化、1回目での真の評価が問われるところだと感じたからです。

今回の報告で、また様々な地域のつながり、関係性がみえてきました。そこからこぼれ落ちそうな人たちの存在も見えてきました。
その中でも、やはりアパートの住民に対しての情報を得ることの困難さを感じました。民生委員の方でも、なかなか会えないし、私たちの訪問にも応答しないなんて人もけっこういます。

学校に近い地区ということで、学生が住んでいることも多いのですが、古いアパートは、ネット環境が整備されていないなどの理由で、空き部屋が多くなっています。そして、大家さんたちはその空き部屋を少しでも埋めようと、低所得者の人々や高齢者を迎え入れています。
しかし、アパートは、自治会にも属することはまずなく、地域のつながりが絶たれた状態です。どんな人が住んでいるかという情報も、個人情報保護法がはびこる現代社会では、どんなに公益的な目的であってもなかなか開示されないのが現状です。
地域のコミュニティや見守りへ加えてもらうのは、そのアパート住民の自主性によるという状況です。今後、こういうちょっと古くなって人気が無くなってきたアパートは要注意ではないかと感じました。

また、庭が荒れて、ごみが山積しているお宅や、周囲から介護が大変な状況という情報を得たうえで訪問し、出てきてくれたその家の方は明らかに悲壮感漂う応対をされていたお宅。

これらの人たちはみんな、「特に困っていません。」と答えた。

これをどうとらえるか?
自らが、地域社会とのかかわりを積極的に避けて、そっとしておいてほしい?
この人たちは信用できない?
どうせ、言ったとしても現実は変わらない?

私たちは、どのようにとらえても、力になれないかもしれない。でも明らかに感じる違和感。

そっとねっとは、あくまで「そっと」見守るという原点に返り、そのような状態いのお宅があるということを、しっかりと把握する、そしてそれを民生委員さんや近隣の方につなぐ、そして、もし必要な時はいつでも連絡をもらえる体制を作っておく、という今できることを、しっかりやっていくべきだと報告を受けながら、改めて感じた次第です。

また、地域住民からは、「暮らしに困っているのは高齢者だけじゃない。みんなだよ。」という言葉は、地域ケアシステムという言葉は、なんだか高齢者中心で動いているということに違和感を感じる私にとってはとても響く言葉であった。

地域には、高齢者も子どもも、関係ない。すべての人が対象なのだ。その視点は揺るがないようにしていきたい。

また、100戸前後訪問し、前回の訪問を覚えてくれていたのは4、5人という現状もフィールドワークの未熟さ、困難さを感じる結果となった。しかし、この現実を受け止めないと、活動しただけでやったつもりとなってしまうのだ。その活動を通じて、私たちが最終的になすべき目標は「地域からこぼれ落ちそうな人を助けたい。そして孤独死をなくしたい!」であるのだから、ここにどれだけ具体的な結果が残せるかを意識しながら活動していかなくてはならないと感じた。

嬉しい評価としては、前回不安だったケースに支援がつながっていたこと、また、訪問しての印象として、前回よりもたくさんお話しいただけたということだ。これは、前回訪問を覚えていない人が多数という状況から考えると、訪問したメンバーの一人ひとりがフィールドワークでスキルアップしたと考えられた。

今後の活動として、高齢者中心に支援をしていく方向性ではあるが、様々な世代にもアプローチをしていく必要があるということで、地域の課題にそったアプローチ、地域に学校を巻き込んだイベント、既存の地域コミュニティに少しでもかかわりながら、自分たちの活動を知っていただく、などの方向性が挙げられた。

また、ボランティアでかかわっている事業所名も添えたチラシを作成して、もっと地域の仲間を増やしていこうという話もあがった。

これからも、どんどんと地域で私たちができることを探して、地域の元気をそっと後ろから支えられるようにがんばりたいです。

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