平成21年5月より、法令遵守責任者を全法人で選任することが義務になりました。
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さて、この法令遵守責任者の資格要件などは、決められていないということで、弊社でもいろいろと考えてみました。責任者である以上、誰でも良いというわけでもなく、法令遵守ということに深い理解ができている者である必要があります。
介護保険という狭い範囲で考えると適任は、ケアマネさん?
1法人で1人選任ということであれば、当然経営面や他の事に対しても詳しくなければいけない、介護保険法だけでは不十分です。倫理面、法令の本質的理解が必要…となると法律家?
法律家にこしたことは、無いでしょうが、そんな方達を雇う余裕も無いので、コンプライアンスという言葉で色々と調べると、ビジネスコンプライアンス検定という資格にたどり着きました。
私自身、これを勉強してみて、コンプライアンスの意味を法令遵守と考えていたことは、実は少し間違っている(完全に間違いというわけではないが、方向としてはずれている。)ということが分かりました。様々な法令の詳細な部分までについては、当然専門家ではないので、完全理解には程遠いです。しかし、法令制定の意義というか、本来の意味という着眼点、グレーゾーンに対する自分達の行動の取り方という点では、非常に勉強になりました。
例えば、独占禁止法。これの本質的な意味は、独占することを禁止している法律ではありません。(これは当たり前?自分はそうだと思っていた…(恥))
公正かつ自由な競争を促進する、そして一般消費者との利益を確保し、国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的として作られています。
また、グレーゾーンと法令遵守。細かなことをひとつひとつ保険者に確認していることをよく聞きます。決して悪いことではないが、これは「木を見て森を見ず」と感じるのは私だけでしょうか?保険者は行政です。行政には行政の立場というものがあります。官僚制という組織体系がもたらす逆機能「画一的傾向」、「繁文縟礼」、「セクショナリズム」等(マートン)からも利用者一人一人に適した判断ということは現実的に不可能でしょう。事実、細かな確認をする余りに、現場や利用者を無視した、行政に対してのケアプランや判断が横行し、挙句の果ての通知がこれ(適切な訪問介護サービス等の提供について)です。この通知が出る背景は、このような現状が多々起こっているからでしょう。ケアマネージャーや現場の訪問介護員が専門性と高い倫理性を持って現場で必要な判断をすることができていない結果であります。だからこんなしょうもない通知が国から来るのです。
コンプライアンス=法令遵守ではない。
そこから法令遵守の真の意味、コンプライアンスの真の意味が理解できるのではないかと考えます。
コンプライアンス検定を通じて、自分達の軸の置き方、法律への感じ方、いろいろと変化があってとても為になったと感じました。介護業界の方も、法令遵守責任者に関わる方・興味のある方、ケアマネージャーさん、管理者さんには、ぜひ取り組んでもらいたい資格の一つです。資格よりも、学ぶ姿勢や過程がとても為になります。おすすめです!