介護給付費7.6兆円。
介護保険制度開始当初の2倍だそうだ。
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この記事の締めくくりには、
必要度が比較的低い「要支援1」から「要介護2」までの人が全体の62・4%を占めた。
と記載されている。
これをみて、みなさまはどう思うであろうか?
「あ?、やっぱり必要のない人が適当に使っていて、税源が足りないって言っているのか。ふざけてるな。」的に埋め止める人が多いと感じる。
何を持って、「必要度」とするかが問題である。この記事を書いた記者さんは、きっと、寝たきりとかで直接的な介護以外は必要ないと言っているようにみえてしまう。
しかし、私達は、寝たきりにさせない、ならないために努力することに尽力している。
リスク軽減や、予防に対しての取り組みが国も含めて重要な課題となっていて、現場だってそれにしたがって動いている。
医療だって健康日本21により、一次予防を重点施策としている。
その人の人生の幸福度は、健康寿命が大きな因子となっている事は事実。だからこそ、なるべく健康な状態で人生を過ごす事、それがかなわないにしても、その人の状況に応じたQOL(生活の質)を良くしていくことが介護の本質ではないだろうか。
よって、要介護2までの人が過半数を占めると言う事は決して不自然な事ではないし、「必要度」が低いわけでもない。
現場の人間なら、この記事に違和感を感じるはずだ。
しかし、それ以外の人はそんなものかと感じられてしまうだろう。
我々介護に関わる人間は、社会からどのように見られているかを感じながら、自分の倫理性や専門性を高めていかなくてはならない。
現場で、ひとつひとつ積み上げて、介護の必要性を介護に携わらない人々にも理解して頂けるように、真摯に、業務に取り組まなくてはならないと感じる。
だれもが、この記事を読んで違和感を感じる日がくるまで。