本日、第6回障害児放課後保礁事業所勉強会に参加しました。
会場はゆりかご☆ドリーム(放課後等デイサービス)です。
私は、専門外でしたが、同じ法人で児童福祉分野についても興味があったので、参加させてもらいました。
主催は心身障害児療育会きつつき会の大曾根様。
助言者として茨城県保健福祉部障害福祉課・課長補佐の関根正弘様と、茨城大学臨床医学系小児科講師の田中竜太先生でした。
移動支援として発達障害児に少し関わった事があるという中で、今まで関わっていた自分の姿勢を根底から覆すものでした。
本日のテーマは「発達障害児の愛着形成と関係性支援」
私としては、支援者として安全に、楽しく、その人のペースを大切にしながら、優しく接していこうというところだったのですが、支援の中での視点、アセスメントの方法など、プロとしての関わり方の一端を学ぶことができ、自分の不甲斐なさを知ることができました。
私は二人の子どもの親です。
親の本能で行っていた行為は、自分でも気がつかない、子どもとの愛着形成に必要不可欠なものだったと知りました。
田中医師のボウルビィ「母子関係理論」やメアリー・エインスワースの「安全基地」という概念のお話をきつつき会さんでは、実践し、独自のアプローチを展開しながら、関係性支援において「共同注視」がひとつの鍵になっているというものでした。
共同注視とはともに同じものを見ると言う事。
自分の子どもに、「ほら、きれいなお花だよ。」と話しかけ、子どもがそれを見ているか確認し、反応を観察する。子どもの視線を確認し、子どもが反応を示すと、親として嬉しくなります。
実はこのとき、子どもも親の反応を見ていて、自分の反応が親に、どのような反応をさせるかを学んでいます。そして、それを積み重ねて行くと、子どもの方から「ねぇ、パパ見て!」と指さし行動が見られるようになる。そしてそこで親の反応を観察しています。その積み重ねが愛着行動形成の流れとなっています。
何も考えずに行っていた親子の共同作業は、実は親子の関係性を育てる仕組みとなっていたことをに気がつき、忙しさを理由に、こどもの声に耳を貸さないときもあった、と反省したりもしました。
安全基地は、その愛着行動により形作られた子どもの安心できる空間で、公園等はじめて行く場所では、親の周りからなかなか離れようとしない行動から、少しずつ環境に適応し始めて(これを探索行動といいます)、視線を送るだけになり、親の目の届く範囲であれば、不安無く行動できる範囲が広がっていきます。
その安全基地として親は重要な役割を果たし、支援者も場面によってその役割を担う。発達障害児は、この愛着形成の段階で何らかの親子関係がうまくいかない事があり、その時にとても大事な働きをしているのが共同注視ということで、実践していこうということでした。しかしきつつき会さんは、それを8年とか、とても長い時間、反応があるかどうかわからなくても、働きかけ続けるそうです。支援者としてきちんとした視点を持ってかかわり、諦めず根気よく、接し続けるというその話を聞き、脱帽しました。
支援する上で、安全基地となりえる存在となる為に、共同注視を中心とした関わりを持ち、課題的な内容は与えず、地道に愛着形成が行えるように支援していくことで、自然で自発的な探索行動が生まれ、人間関係を楽しむことができるような行動変容が期待でき、集団が苦手と言われる自閉的特性の未知なる可能性を模索する実践は、話を聞いたからといってすぐできるものではないかもしれませんが、放課後デイを初めてすぐに、今回のお話を聞けた事は、今後の私達のケアに、絶対に大きな影響を与えるに違いないと思います。
支援者としても、親としてもとても有意義な勉強会でした。
ご参加いただいた皆様に感謝いたします。