先日、介護報酬の改定でサービス内容に絞って、愚痴ってみましたが、今度はそれ以外ということで…愚痴ってみます(笑)
特定事業所加算の要件見直しとなりました。
(体制要件)は、次の5つ
?全訪問介護員に個別の研修計画を作成し、研修を実施または実施を予定していること。
?利用者に関する情報、サービス提供に当たっての留意事項の伝達または訪問介護員などの技術指導を目的とした介護を定期的に開催すること
?サービス提供責任者が訪問介護員などに利用者に関する情報やサービス提供に当たっての留意事項を文書等の確実な方法により伝達してから開始し、終了後、適宜報告を受けていること
?全訪問介護員に対し、健康診断等を定期的に実施していること
?緊急時等における対応方法が利用者に明示されていること。
?これは、素晴らしいことです。私たちは恥ずかしながら、計画は立てているものの、個別プランまでは落としきれていないのが現状。社員などは容易にできると思うが、登録ヘルパーで、週に数時間程度の従業員もいて、雇用形態によって、ここまでの志を持った人ばかりではないという現実に悩んでいます。でも私たちも目指してがんばろうと思います。毎月定期的に、アンケートなどを取りながら、希望にあわせた研修を行っていますが、個別プログラムまではまだまだ遠いです…
?に関しては、よく読むと不思議です。(A)または、(B)の会議を定期的に行っていること、ということは、技術指導(B)を行っていれば、サービス提供時の留意事項については伝達(A)していなくても、良いという反対解釈も取れます。これはまずいですよね。普通、サービスできないと思います。ヘルパーの立場でも、伝達がなくては不安でたまりませんよ。しかも定期的に開催…、伝達を目的とした会議というのも変な気がしますが、(A)については随時必要ですよ。または、ではなく及びとすべきです。
?これを要件に入れるということは、やっていないということもあるんでしょうか…これもやらないとサービス継続自体難しいのでは…
?これはやらないと労働基準法に抵触しませんかね…
?これも、契約書に記載していたり、明示することは義務かと思ってましたが…要件にあるということはやっていないところもあるんですね。
それぞれコメントしてみましたが、利用者に直接関係することって、少ないような気がします。利用料金が10?20%増える分の価値を提供するということですから。
全て満たされている事業所さんは本当にすごいと思います。頭が下がりますが、職員の質向上に対する評価を利用者負担で行っていいのでしょうか?経済的に余裕のない利用者さんは、質の悪い事業所さんを使ってくださいといっているようなものでしょう。例えば、要件を満たす事業所は、従業員数×1000単位みたいに設定して、事業所が国保連に請求という形にしたほうが、利用者の負担は増えないのでいいような気がします。(この仮定請求分を給与に反映したほうが、処遇改善につながりそう)
(人材要件)は、次の2つ
?全訪問介護員の30%以上が介護福祉士、または介護福祉士・介護職員基礎研修課程修了者・1級訪問介護員の合計が50%以上
?全てのサービス提供責任者が3年以上の実務経験を有する介護福祉士、または5年以上の5年以上の実務経験を有する介護職員基礎研修課程修了者・1級訪問介護員であること。
?、?両方に関していえること。上記の体制要件より、もっと利用者に関係ないのでは…
介護福祉士が多ければ、それだけで人員要件を満たすというのは、いかがなものかと思いますね。加算を取っている事業所からやってくる訪問介護員が2級ヘルパーさんであっても、加算されるんですから、(自分なら納得いかないので、介護福祉士だけを訪問してもらうように頼むと思います)その加算をする事業所の利用者全てに公平にサービスが提供できるかが疑問です。
(重度要介護者等対応要件)は次のとおり
前年度又は前3月の利用者のうち、要介護4・5・認知症日常生活自立度?以上の利用者が20%以上
スタッフさんは大変ですよ。実際にこのような対象の方が多くなると。この評価はもっともらしいですが、それに該当していない方、のこり8割未満の人には、関係のない話です。しかも、逆選択(重度しか受け入れないなど、本来法令違反となる行為です)も出てくる可能性はありますよね。それでは本末転倒でしょう。
自分たちが加算が取れないから、嘆いているのではありませんよ。
しかも、現在加算をとられている事業所さんを批判しているわけでは決してありません。むしろ自分たちの目標となる事業所です(加算を取るかどうかは別ですが)。
利用者の求めていることと、この要件を満たすように事業所が努力することが、果たして将来的に一致していくでしょうか?
それが疑問です。評価してもらっているということはありがたいですけど…
実際に利用者の求めている方向へ改定されないと意味がないと思います。
個人的に体制要件は?を「または」から「及び」に変更すれば概ね賛成ですが、人材と重度の要件は別の基準を考えるべき、利用者負担への加算ではなく、別の方法で報酬を得るべきというのが結論です。
ここまで長々と読んでくれた皆さん、毎度ながら、ありがとうございます。
…初回加算、緊急時訪問介護加算についても、気力があれば後日書いてみます。
※特定事業所加算は???まであり、いずれか1つのみを算定できます。
?…体制要件・人材要件(?及び?)、重度要介護者等対応要件のいずれにも適合(20%加算)
?…体制要件・人材要件(?又は?)のいずれにも適合(10%加算)
?…体制要件・重度要介護者等対応要件のいずれにも適合(10%加算)