水戸市北部圏域地域会議「そっとねっと」フィールドワーク報告

株式会社ゆりかご 介護保険制度 その他

3月上旬に、4名ずつ4班に分かれて、フィールドワークを行いました。

地域は、渡里地区で、今まで活動したことのない地域でした。

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今回は、まだ民生委員になって時期が短い方にご協力をいただき、全戸訪問で、地域の高齢者状況の把握をすることとなりました。

今までの条件と違う点は、回覧板での告知を無しで行った点です。

平日の日中で1件1件訪問し、「一人暮らしの高齢者」「高齢者夫婦」「高齢者のいる世帯」「その他」でマップ作成をしました。そして色分けしながら、そこに社会資源がつながっているか、または誰かの目が届いているかを丁寧に調べて行きました。そこから、見守りの関係を矢印にして地図に落としていくと、地域のつながりを見える化できてきます。

今回の地区の特徴は、高齢者世帯はそれほど多い地区ではなかったです。また、団地もありましたが、例えば市営団地では月に1回の住民会議があり、自治体がしっかりと機能しており、みんなが高齢者世帯の把握をしていて、いざという時は助け合える環境が出来上がっていることもわかりました。本当に素晴らしい取り組みだと思いました。

しかし、その中でも1件だけ気になるお宅がありました。テレビの音は聞こえているが、呼び鈴を鳴らしても出てこない、ビール缶が庭に山のように積まれているお宅です。担当の民生委員も社会資源とのつながりは確認できていないということで、水戸市高齢福祉課に情報を確認してもらう段階までいけました。

そう、このそっとねっとの特徴は水戸市高齢福祉課の職員自らも参加しているのです!

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たしかに、コミュニティに知ってもらうに当たり、行政が介入しているかどうかについては、賛否両論あると思います。コミュニティの力を育むうえでは、その力を引き出していくという過程で行政があることで、自ら行っているから、やらされているという感覚になることもあるという意見もわかります。

しかし、実際にフィールドワークをしていると、行政の信頼、そして今回のようにあれっ?という段階でのスピーディな対応もしてもらえるのです。言い方は悪くなってしまいますが、良い意味で官民、お互いを上手に活用すればいいのだと思います。

今回は、100軒前後を全戸訪問して1軒の気になるお宅を見つけました。また、今回の活動外地域ですが、街を歩いているだけで、なんだかいかにもと思う地域もあることに気がつきます。歩いて街を知る大切さを改めて実感しました。また、たった1軒かもしれませんが、これが早期発見につながれば、私たちは最高です!

担当の民生委員さんは、「ある程度は把握していたつもりだが、知らない情報や関係性もたくさんあった。新住民と旧住民では情報量が全然違い、新住民の情報がたくさん聞けたことは大きかった。今後、様々な問題に積極的に取り組みたい。」とお話をいただくことができました。

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また、新たな課題が見つかりました。とある住民から「私も昔、調査員の仕事を長年していた。何のために、どういう目的で調査をしているのか、しかるべき筋道を明らかにしてから訪問すべきだ。」というご意見をいただいたのです。ここから、まずは、「そっとねっと」が孤独死をひとつでも無くすために行動していること、その前提作業として地域の分析、コミュニティへの関わり方など様々な取り組みをしていることを知っていただくPR方法が重要であると考えました。

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冒頭にも話しましたが、今回は回覧板での案内はしていません。しかし、戸別訪問の時の抵抗感は回覧を回したときと比べ、さほど違いを感じなかった。回覧が回るのは町内会に属している人だけであり、その比率は少なくなっていること、そしてその回覧の内容もいつも代わり映えのないものが多く、形骸化している現状も明らかになりました。これからは、様々な住民のイベントや、他にも住民に働きかける団体などとともに、自分たちのそっとねっとの活動を周知していくことが大切だと考えます。

そして地域というフィールドで行政と手を取り合って、安心して過ごせる街、孤独のない街を住民が作っていくお手伝いをしていきたいと考えます。

私は、いつも孤独という言葉については、あえて使っています。

701年の大宝律令が制定され、いわゆる律(刑法)令(民法や福祉法)制となりました。718年に戸令(法律化された最初の公的な慈善制度)が制定され、救済の対象を「鰥寡孤独貧窮老疾」としました。この中で、鰥寡孤独とは、鰥「61歳以上の妻を亡くした夫[やもめ]」寡「50歳以上の未亡人」孤「16歳以下の親のいない子ども」独「61歳以上の子どものいないもの」を指します。孤独とは、いわゆる身寄りのない、だれともつながりのない方を指すのであって、誰かの目は届いているが、一人でいるひとは、孤独ではないと思っています。

そのような意味も含めて「孤独死」は絶対に無くしていかなくてはならないのだと思っています。

これからも「そっとねっと」は、「孤独死」を無くしていくために地域活動を通して、住民の力を借りながら進んでいきたいと思います!

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