「そっとねっと」として、本日、私ははじめて地域での活動を行いました。
参加者は、地域包括支援センター職員、地域窓口センター職員、介護事業所職員(私)の3名です。
今回の目的は、一人でも多くの方に「そっとねっと」の存在と目的を理解してもらうことです。「そっとねっと」の目的は、「孤独死ゼロ」が原点です。
今までの流れは、まず、水戸市主催のコミュニティソーシャルワーカー研修に参加した水戸北部圏域の有志で、せっかく研修を受けたのだから、何かやらないと!という思いからスタート。ここで水戸市高齢福祉課との協力を得ることができました。しかし、何もかも初めてで、何から始めればいいかわからないので、まず小さい範囲でモデル的に指定し、その地域への周知と地域の情報把握から始めようということで、情報収集の方法を議論しました。対象も、最終的にはその地域のすべての人を対象にしたかったのですが、まずは高齢者に絞って、活動することとなりました。
「そっとねっと」のコンセプトは、今ある既存の組織や力をエンパワメントすること、また必要な社会資源へ橋渡しができること、さらに社会資源がない時は開発すること(これは遠い目標ですが)です。
高齢者の情報を持っている方と言えば、民生委員さん。地域の民生委員協議会の協力も得ることができました。民生委員協議会の会長、副会長は毎回、会議にも参加していただき本当に感謝するとともに、地域に対しての熱いボランタリズムに感服します。民生委員さんとともに、住宅地図にマーカーで一人暮らし、高齢世帯、など様々な印をつけていきます。私たちが注目するのは、その地図で空白のところ、すなわち「未知」の領域です。そこで地域から何らかの理由により隔絶された状況の分析と、分析結果によるアプローチで、地域社会のセーフティネットの中に入れることが具体的な目的のひとつです。直接的な支援については、そのあとにいくらでもできるわけです。今回は民生委員さんの働きかけで、町内会長さんとコンタクトをとることに成功。協力を得て、地域の情報についていろいろと教えていただきました。
今日は、その地図を片手に、手作りのチラシ(水戸市高齢福祉課さんのご協力→scan-15を持って、手作りのネーム(こちらも水戸市高齢福祉課さんのご協力)をつけて、全戸訪問を行いました。
学校の近くでアパートも多く、アパートの住民の情報がほとんど無いので、ここに一人の高齢者がいたら…という気持ちで歩きました。アパートは学生さんが多く、その学生さんたちにも情報提供の協力を呼びかけました。不在、もしくは居留守?というお宅もあり、個別訪問の難しさ、アパートの壁の高さみたいなものを感じました。
一戸建てのお宅については、突然の訪問にもかかわらず、招き入れていただいて、お話を聞いてくれる方もいらっしゃいました。中には、「情報提供どころか、私自身が困っているのよ!」と個別的な相談も出てきます。介護保険事業を仕事としている我々にとっては、知っていて当たり前で、すべてに周知されていることと感じがちですが、まだまだ制度のことを知らない方は多いのだと改めて感じました。だからこそ、一軒一軒への丁寧な説明は必要であると感じました。
また反省点として、どうしても相談の切り口が介護保険よりの話題になってしまうことがありました。もっと広い視野で頭を切り替えていくことが大切だなと、訪問して学びました。アパートへのポスティングや若者へのチラシはもっと情報提供の協力を色濃くした内容のほうがよいとも感じます。
訪問時に感じたのは、警戒感。これは当然ですが、例えば、町内会で行っている回覧板などを活用する方法もアリだなと感じます。また、地域の店舗に協力を呼びかける、ポスターを貼るなども議論されました。これは、今回の訪問のレスポンスを見ながら、試験的に行ってみようと思います。今日は、理容室や飲食店にも立ち寄り、少し挨拶させていただきました。
訪問ですごい威力だなと感じたことが、「水戸市高齢福祉課からきました。」という言葉です。もちろん、これは地域包括支援センターの職員さんが言っていましたが、横で見ていて、「市役所というブランド力は、すごい。」と感心しました。
とにかく、地域で知っていただくことは地道な努力が必要であり、介護保険以外のさまざまな皆さんとの連携が不可欠であると確信しました。この活動に参加してみようと思う方が少しでも増えてくれると嬉しいです。数班にわかれて、今月はこの活動を地域で行っています。来月の会議でどんな情報が集まってくるか楽しみです!